〜日々日常。それは流るる空模様。
          人生晴れたり曇ったり。〜
| PR | EN | CO | TR | CA | AR | LI | RE | OT |
にわか家族の午後〜前奏曲〜
みゅうたん

日曜の静かな昼下がり。

リビングには家族が集い、コーヒーの香り。そしてクラシック音楽。
傍らの息子は楽典のお勉強。私は読書。うちのひとは、i-pod。

私「あ〜・・なんて、ステキな休日なんだろう・・・ズズズ〜(コーヒーをすする)」
うちのひと「にわかクラシック家族だけどね。ズズズ〜」
私「(ムッ)」

本日の楽典のお勉強が一通り済んだ息子が鉛筆を置いて一息入れた。
さっきからこれみよがしにバックに流れるクラシック。今度の曲はチャイコフスキーのバイオリン協奏曲。”超絶技巧”と呼ばれる選ばれしバイオリニストにしか弾くことができない名曲。

「そーいえば、この曲にそーーーっくりな曲がある。」

うちのひとがにわかにiTunesをクリック。

私「・・・・・・・おお!本当だ!これなんて曲?」
うちのひと「”ライトスタッフ”のサントラー」
息子「どこーどこー?・・・あ!ほんとー同じじゃん。」
私「おんなじじゃあ、それはそれでマズイんだよ〜タケちゃん。」

サビんとこを似てる似てるといって何度も聞く。


そんな宴もたけなわ、本日の本題の”移調”のはなしになっている。

さっきまで楽典のお勉強息子のタケ、頭の中はパンパン足はモジモジになりながらも、父のありがたい教えを聞く。

なんで、こうなったかというとさっき「昔は曲の調(キー)にあわせて全ての調のトランペットがあったんだって」というハナシから。
息子の持ってる標準的なトランペットはB♭管で、うちのひとがその昔現役吹奏楽部だった頃使っていたのが、C管。それもひとりだけ。理由、移調が楽だから。

私「そういや、昔ママが楽器店にいたころ、ブルースハープっていう、調がいっぱいあるちっちゃーいハーモニカ売ってたんだー。それでねー・・・」

それから始まるであろうママの楽器店裏話を遮り、うちのひとは”ものすごくたいせつな移調のハナシ”を始めたのだった。・・・チェッ←空気ヨメ


「移動ドの便利なトコは〜・・」云々。

「ホルンは調がFだから、オリジナルスコアより完全5度上げて書く。それはホルンって楽器はオリジナルより長四度高いから・・・」どーのこーの。

「あとメンドくさい移調楽器の順番でいうと、ホルン、クラリネット、そしてトランペット。」

「この変ロを変ホに変えて書くとどうなるか〜・・・」

「そしてラスボスはなんといってもアルト記号〜〜〜!!」云々カンヌン・・・・


横で講義を聞いてる息子は今、何語を話しているのだろうか。

そう。カヤの外となった私にとってはチンプンカンプン、宇宙人と交信している領域。
ベントラーベントラー・・・



さて、際限なく熱を帯びるうちのひとの講義のバックで、さっきから流れているこのアルバム。
その名も「41歳からのクラシック」。(CD屋で見つけてこのタイトルに買わないわけにはいかなくなった、クラシック曲のコンピレーションアルバム。先に同名の文庫本も出ていて、それに連動しているらしい。2枚組2500円。演歌好きの人のためにはこの曲、とかJ-POP好きにはこれ、プログレ好きにはこの曲、ヘビメタ好きのこの曲、とかで選曲。とっかかりがよく、演奏しているオーケストラも指揮者も的を得ている。私のようなチンプンカンプンな奥様にも、クラシックに覚えのある返り咲きたい人にもオススメの一枚。てか二枚。)


父の教えが佳境になるにつれ、曲もどんどん派手になっていた。

自分の講義とクレッシェンド、フォルテシモのせめぎ合い。

とうとうシベリウス陶酔の「フィンランディア」大団円のところ。


「ホルンはーっ」
「調号をーーっ」
「昔っから慣習的にぃぃっ」



「シベリウスゥッ!!!うっせーーーっよっっ!!!」






切れた。





明日も休日だ。また午後のひとときを静かにすごそう。





(続きを話すと、ホルンは慣習的に調号を書かない楽器で、臨時記号を用いる。さっき本棚から適当に持ってきたロシアの作曲家リムスキー・コルサコフ<シェヘラザード>のフルスコアを見るに調号はありませなんだ。しかし現在の現場では調号を書いたりする。とのことでした。)


20:06 日常 comments(0)
comment

message :